2023.11.07更新
高齢者のコミュニケーション不足を解消する5つの方法
年を重ねてから家に引きこもりがちになり、周囲の人とのコミュニケーションが減って孤立してしまう人は少なくありません。
高齢者の場合、孤立が認知機能低下の引き金になることも多いので、元気なうちから家族はもちろん家族以外の人ともコミュニケーションが取れる環境を調えることが重要です。
この記事では、高齢者とコミュニケーションを取る際のポイントや、コミュニケーションを取る機会を増やす方法を紹介します。
目次
- 01高齢者のコミュニケーション不足による影響
- ・認知機能の低下
- ・言語能力の低下
- 02高齢者とのコミュニケーションの取り方
- ・会話の始め方
- ・声の大きさ
- ・声のトーン
- ・会話の内容
- ・言葉の選び方
- ・相槌と返答のタイミング
- ・身振り・手振りや筆談なども交える
- 03高齢者のコミュニケーション不足を解消する方法
- ・積極的に外に連れ出す
- ・こまめに高齢者の自宅を訪問する
- ・共通の話題を作る
- ・記念日にプレゼントを贈る
- ・おしゃべり人形を活用する
- 04おしゃべり人形のメリット・デメリット
- ・メリット
- ・高齢者の孤独解消につながる
- ・介護者の負担が減る
- ・その他のメリット
- ・デメリット
- ・おしゃべり人形を購入する際の注意点
- ・購入の目的を明確にして選ぶ
- ・購入前に必要な機能が搭載されているかをチェックする
- ・着せ替えができるなどその他の機能をチェックする
- 05まとめ
高齢者のコミュニケーション不足による影響
家に閉じこもりがちになると、どうしてもコミュニケーションを取る相手が家族に限られてしまいます。
すると、気持ちにもハリがなくなり、徐々にさまざまな機能に影響が出てくることが懸念されます。
詳しくみていきましょう。
認知機能の低下
高齢になると、誰しも理解力や判断力、記憶力といった認知機能が低下します。
しかし、日頃から人とコミュニケーションを取る機会が少ない人の場合、一層認知機能が低下しやすいことがわかりました。
認知機能の低下が著しく、日常生活に支障をきたすようになると「認知症」と診断されます。
認知症を防ぐためには、適度に手足を動かしたり、人と交流を持ったりして、脳に刺激を与えることが重要 です。
とくに人と会ったり会話をしたりして交流を持つと、脳にさまざまな刺激が加わるため、認知機能の低下が抑えられると言われています。
決して無理をする必要はありませんが、できる範囲で家族や知人と連絡を取り合ったり、ボランティアや高齢者サロンなどに参加したりして、日々の暮らしに少しだけ刺激をプラスするよう心がけましょう。
言語能力の低下
人と話す機会が減ると、より言語能力が衰えやすくなります。
・物の名前が思い出せない
・自分が話したことを忘れて同じことを何度も繰り返し話してしまう
・はっきりとした発音ができない
これらの症状は加齢によって見られる自然な言語能力の衰えです。
おおむね70歳前後まで言語能力は保たれているとされています。
しかし、コミュニケーションの頻度が減って人と話さなくなるとこれらの症状が早く現れたり、一気に進んだりします。
そうならないためには、とにかく会話する機会を設けることが重要です。
実際に声を出す・言葉でコミュニケーションが取れるよう周りの人も積極的にサポートしましょう。
高齢者とのコミュニケーションの取り方
高齢者とコミュニケーションを取るときは、いくつか気をつけることがあります。
詳しく解説します。
会話の始め方
会話を始めるときは、名前を読んだり、目を合わせたりして「あなたに話かけしている」ことが伝わるように工夫しましょう。
高齢になると、自分が話しかけられていることに気付きにくくなります。
かといって、突然肩を叩いたりすると驚いてしまう方もいるので、まずは名前を呼ぶ・目を合わせるなどボディタッチ以外の方法で話しかける合図を送りましょう。
話し始めは意識してゆっくり、はっきり話すことも重要です。
普通の速度で話してしまうと、言葉が聞き取れないことが少なくありません。
できるだけ口を大きく動かすと、耳が遠くても話している内容や言葉がイメージしやすいです。
声の大きさ
耳が遠い人に話しかける際は、いつもより少し大きめの声を心がけましょう。
怒鳴り声のような声はかえって聞き取りにくいので、いつもより少し大きめのボリュームがポイントです。
耳元で、ゆっくり・はっきり話すと、言葉が聞こえやすいといわれています。
声のトーン
耳が遠くなると、高い音が聞き取りにくくなります。
高齢者と話すときは、声のトーンを少し下げることを意識してみましょう。
とくに女性で声が高めの人は、少し低めを意識して発声すると、相手が聞き取りやすくなります。
会話の内容
会話の引き出しは多いに越したことはありません。
初めて話すときは天気や体調の話から始め、徐々に相手の興味に合わせた内容に話を広げていきましょう。
音楽が好きな人といっても、演歌が好きな人もいればクラシックが好きな人もいます。
「高齢者」とひとくくりにせず、相手の興味関心に合わせてさまざまな話題で話ができると、相手も自分も楽しくコミュニケーションが取れます。
言葉の選び方
高齢になると、長く複雑な会話が難しくなる人もいます。
相手に質問をするときは、複雑な質問を避け、YESかNOまたはどちらか選ぶ形で答えられる簡潔な会話を心がけましょう。
好きな食べ物を聞く場合は「好きな食べ物は何ですか?」と聞くより「ケーキとまんじゅう、どちらが好きですか?」や「ケーキは好きですか?」と聞くほうがスムーズにコミュニケーションが取れます。
とくに言葉がなかなか出てこない・はっきり発音することが苦手な人の場合は、首を振るだけで答えられる質問を意識するとコミュニケーションが取りやすいでしょう。
相槌と返答のタイミング
高齢になると言語能力が衰え、なかなか言葉が出てこなくなります。
「あれ」や「それ」といった指示語が多くなるのも特徴です。
高齢者とコミュニケーションを取る際は、相手が言葉に詰まっていても、先回りして答えることは避けましょう。
相槌を打ちながら、相手が自分で伝えたいことを伝えられるまで待つことが重要です。
若い人が高齢者とコミュニケーションを取ると、テンポの違いから、つい先回りして相手の言いたいことを代弁してしまいがちです。
しかし、それでは相手とコミュニケーションを取ったことにはなりません。
高齢者と話をするときは、ゆったりとした気持ちで、焦らず相手のペースを尊重しましょう。
身振り・手振りや筆談なども交える
言葉でコミュニケーションが取りにくいときは、身振りや手振り、筆談なども活用してコミュニケーションを取ってみましょう。
耳が聞こえにくいために言葉でのコミュニケーションが不自由なだけで、人と関わりたいと思っている高齢者は少なくありません。
その場合、筆談や身振り・手振りなどを交えると、スムーズにコミュニケーションが取れるようになります。
必要に応じて「コミュニケーション支援ボード」などを活用するのもおすすめです。
高齢者のコミュニケーション不足を解消する方法
ここからは、高齢者のコミュニケーション不足を解消する方法を紹介します。
同居している家族なら、毎日の暮らしの中で会話をすることも多いかと思いますが、離れて暮らしているとなかなかきっかけが掴めないものです。
離れて暮らす両親や祖父母とコミュニケーションをする際は、次のことをきっかけにしてみましょう。
積極的に外に連れ出す
家の中にこもりきりだと、気持ちもどんどんふさいでしまいます。
決して無理をする必要はありませんが、本人の気が向いたときに積極的に外に連れ出してみましょう。
外に連れ出すといって、遠出することはありません。
一緒に近くを散歩する・買い出しに行くなど近場の外出でも、よい気分転換になるはずです。
外出先での出来事などがコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。
こまめに高齢者の自宅を訪問する
離れて暮らしている人は、こまめに自宅を訪問するとよいでしょう。
一人暮らしの高齢者の場合、庭の手入れや部屋の掃除などで困っていることもあります。
「何か困りごとはない?」
「今度○○を手伝いに行くよ」
など、機会を見つけて積極的に訪ねましょう。
共通の話題を作る
コミュニケーションのきっかけ作りに悩んでいる人は、共通の話題を見つけてみましょう。
好きな歌手や楽しみにしているテレビ番組など、共通の話題が見つかれば会話も弾むはずです。
共通の話題が見つからないときは「お母さん、〇〇の作り方が知りたいんだけど、教えてくれる?」など相手に何かを教えてもらうのもおすすめです。
記念日にプレゼントを贈る
誕生日や敬老の日があれば、プレゼントを贈ってみましょう。
プレゼントがきっかけで会話が生まれることもあります。
プレゼントに手書きのメッセージや手紙を添えて贈ると、より気持ちが伝わるでしょう。
おしゃべり人形を活用する
おしゃべり人形を活用するのもおすすめです。
おしゃべり人形は、話しかけた言葉に応じて返事をしてくれる人形で、現在さまざまな製品が市販されています。
かわいらしい女の子の姿をしたものもあれば、猫型のものもあるので、好みに合わせて選んでみましょう。
おしゃべり人形のメリット・デメリット
ここからは、おしゃべり人形のメリット・デメリットを解説します。
メリット
おしゃべり人形は「コミュニケーションロボット」と呼ばれるロボットに分類されます。
このロボットは、言葉や動きでコミュニケーションを取るロボットで、なかには会話を通じて性格が変わったり、新しい言葉を覚えたりするものも少なくありません。
おしゃべり人形をはじめとしたコミュニケーションロボットを活用したセラピーも実際の介護現場で広く行われており、次のような効果が期待できるとされています。
高齢者の孤独解消につながる
一人暮らしの高齢者の場合、足腰が衰えるとどうしても家にこもりがちになり、人との交流も減る傾向にあります。
話し相手がいない生活に寂しさを感じている人もいるでしょう。
おしゃべり人形は、そのような人の寂しさや孤独感を解消してくれます。
話しかけると応えてくれる相手がいるというのは、それだけで孤独感が和らぐものです。
一人暮らしで寂しさを感じている人へのプレゼントにはぴったりといえるでしょう。
介護者の負担が減る
高齢になると、言葉がなかなか出てこなかったり、話すスピードがゆっくりになったりします。
人間であればテンポよく会話できないことがストレスになったりしますが、おしゃべり人形はそのようなことがありません。
繰り返し同じことを質問しても、なかなか言葉が出てこなくても、自分のペースで会話が楽しめます。
その他のメリット
ほかには、次のようなメリットがあります。
・ぬいぐるみのようにやわらかい手触りで癒される
・女の子型や猫型など様々なタイプがある
・動き回らないため、足腰が不自由な高齢者でも扱いやすい
ペットや動きのあるロボットの場合、足腰が衰えた高齢者では動きについていけないことが少なくありません。
しかし、おしゃべり人形は動かないので、自分の好きな場所で、楽な姿勢で会話が楽しめます。
室内で転倒したりする心配がないのは、離れて暮らす家族にとってもメリットになり得るでしょう。
デメリット
さまざまなメリットがあるおしゃべり人形ですが、デメリットもあります。
主なデメリットは次のとおりです。
・決まったパターンの会話しかできない
・動きがないため、人によっては物足りなさを感じる
・製品によっては音量調整ができず、音が聞き取りにくいことがある
・高価なものが多く、気軽に買える値段ではない
おしゃべり人形は、あらかじめ登録された言葉を使って会話をする人形です。
そのため、話題によっては自然な会話ができないことがあります。
また、人形なので動きません。
人によっては物足りなさを感じることもあるでしょう。
音量調整の可否は製品ごとに異なるため、購入前に調整できるかチェックすることをおすすめします。
おしゃべり人形は、それなりに高価なアイテムです。
家庭用のものでも1万円以上することが珍しくありません。
帰る場所も限られているため、気軽に買えない点もデメリットといえるでしょう。
おしゃべり人形を購入する際の注意点
おしゃべり人形を購入する際は、次のことに注意しましょう。
購入の目的を明確にして選ぶ
おしゃべり人形といっても、その形や機能はさまざまです。
購入する際は、何のために購入するのかを明確にして選びましょう。
日常生活での話し相手としておしゃべり人形を購入する際は、登録されている言葉が多いものがおすすめです。
登録されている言葉が多ければ、人と話すのと遜色ないスムーズな会話が楽しめるでしょう。
ペットロス解消には、かわいらしい猫や犬の形をしたおしゃべり人形がおすすめです。
手触りなどにもこだわって選べば、ペットを失った寂しさを和らげるのに一役買います。
購入前に必要な機能が搭載されているかをチェックする
搭載されている機能は、おしゃべり人形によって異なります。
購入する際は、あらかじめどのような機能が搭載されているかチェックしておきましょう。
耳が遠い高齢者が扱うなら、音量調整機能を搭載したものや、手足が動くものがおすすめです。
耳が遠いと、おしゃべり人形が発する高い音声は聞き取りにくいことがあります。
そのような場合は、手足が動くものを選ぶと、自分の声に反応してくれていることがわかるでしょう。
なかには、見守り機能を搭載したおしゃべり人形もあります。
高齢者の一人暮らしが心配な場合は、そのような機能が搭載されたものを選ぶのもおすすめです。
着せ替えができるなどその他の機能をチェックする
毎日扱うものだからこそ、愛着が持てるかどうか・お手入れがしやすいかどうかも大事なチェックポイントです。
着せ替えができるおしゃべり人形に手作りの衣装を着せたりすれば、より愛着が持てるでしょう。
高齢者にとって大切な話し相手となり得るものだからこそ、お手入れのしやすさも大切なポイントです。
カバーの取り外しができるものや、水拭き・丸洗いできるものなら汚れた時も簡単に手入れができ、いつも清潔に保てます。
ここまで高齢者のコミュニケーション不足を解消する方法を紹介しました。
こちらでは、ぬいぐるみが高齢者にとって心身にどんな効果があるのか詳しく解説しますので、あわせてご覧ください。
まとめ
高齢になって家にこもりがちになると、人と関わる機会が減ります。
人と関わる機会が減ると、認知機能や言語能力が低下することがあるので、高齢の家族がいる人はぜひ積極的にコミュニケーションの機会を設けましょう。
とはいっても、離れて暮らしていると直接会って話すのは難しいことも多いです。
音声が聞き取りにくいため、電話を好まない高齢者も少なくありません。
そのようなときは、おしゃべり人形をプレゼントしてみてはいかがでしょうか?
おしゃべり人形「おしゃべりみーちゃん」は、4歳の女の子の声でおしゃべりするかわいらしい人形です。
国内で唯一、音声認識機能を搭載しています。
人が話したことを認識して、それに合わせてふさわしい言葉を返すので、これまでのおしゃべり人形に物足りなさを感じていた方や、より自然な会話を楽しみたい方にぴったりです。
使い方は簡単で、箱から出したら背中をトントンと2回たたくだけなので、機械が苦手な方も直感的に操作できます。
公式ショップでは「おしゃべりみーちゃん」の着せ替え衣装も販売していますので、素敵なお洋服でカスタマイズして、ぜひ末永くかわいがってあげてください。